これからの「まちづくり」の
ターゲットは
お年寄りと子ども。
温かく、安全で、
楽しく、美しく、
便利な街づくりをしたい。

● SDGs(エスディージーズ)とは、Susainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略称。2015年に国連で開かれたサミットで決められた国際社会共通の目標である。

● 2030年までに、貧困、飢餓などをなくそうなど、17の項目を達成しようというものだが、目標は目標として、それはそれでいいが、どだい、15年間で達成が出来るとは思えない。

● とは言え、17番目の「住み続けられるまちづくり」は、SDGsとは関係なく、少子高齢化の我が国では取り組まなければならない課題であろう。

● とにかく、ご承知のように、人口が激減する。2004年の1億2784万人をピークに、あと、わずか30年間で、9615万人になる。すなわち、約3000万人が減る。今の東京都が二つ分消えてしまうということである。

● そのとき、高齢者人口は3764万人。若年人口が821万人だから、合わせて4585万人。15歳から65歳までの生産年齢人口は4930万人。しかし、高校生大学生等の人口を、仮に現在の約700万人とすると、高齢者と若年者の合計4585万人は、実際の生産年齢人口は、4200万人より多い。

● だから、人口の多いほうを前提にして、「まちづくり」を考えたほうが賢明というものだろう。

● それを前提に「住み続けられるまちづくり」をしようとすれば、都会以外の地方は、「子ども」と「お年寄り」にターゲットを絞らざるを得ない。

● 若者を地方にとどめようという発想は、おおむね、捨てたほうがいい。「一寸法師」(江戸中期の『御伽草子』)ではないが、若者たちは、昔から、都(みやこ)を目指すものだ。

● 地方は、子どもとお年寄りに限りない満足を与える「まちづくり」を積極的に考えたらいい。

● 「スタジアム型のまち」をつくる。スタンドにあたる外周部分に平屋の木造住宅を建てる。いたるところ、段差がない。階段がない。街路樹を植える。その街路樹の周りにベンチを置く。
グランドにあたる外側の円周ベルト・ゾーンは、森をつくる。大樹がある。木陰がある。ここでも、あちこちにベンチを置く。自動車はいらない。但し、ゴルフ型カートは、自由。

● 森の中を歩いて、いわゆる、グランドの中心部分までは、15〜20分で歩いて行ける。中心部分には、病院がある。巨大マーケットがある。さまざまなテナントを入れる。しゃれたブティックを入れる。高齢者向けのコーヒーショップをつくる。子どもの遊び場をつくる。そして、ここにも、大きな街路樹の下に、ベンチや休憩場をいくつも設置する。

● 駅舎の前に、あるいは、線路の上の空間を活用して、低層ビルを建て、無料の保育所、託児所をつくる。子どもの医療費は無料である。

● なんだ、年寄りばかり、子どもばかりになるではないかと思うかもしれないが、子ども持ちが移住してくれば、若い母親父親も居を構える。また、そのお年寄りのところへ、都会の子や孫たちが、休日のたびに訪ね、遊びにくる。

● 若い母親にとって、子どもの医療費タダ、託児所、保育所がタダなら、都会に近い地方のほうがいい。いや、都会から少々遠くても地方のほうがいいとなるだろう。

● だから、「子ども」と「お年寄り」にターゲットを絞った「まちづくり」は、「住み続けられるまち」になる。

● 以上のような子ども対策を実施して、都会から人口が流入した地方のまちがある。あるいは、スタジアム型ではないが、歩きやすい、また、歩いて、どこにでも行ける街がある。

● これで財政がやっていけるのか、と思うかもしれないが、人口が増えるから、市町村民税が増える、固定資産税も増える、また、店も売り上げ、利益を確保出来るから、事業所税も増える。なにも心配はない。

● これからは、「スマートシティ+コンパクトシティ」(=スマコン・シティ)すなわち、A I、IoTなどを駆使し、自宅に居ながら、誰もが孤独を感じない、また、孤立をしない、優しく、楽しい、「スタジアム型まちづくり」を進めるべきではないかと思う。なにより、「まちの温かさ」、「人の温かさ」のある「まち」がいい。

● テレビで、「ポツンと一軒家」を面白く観ているが、しかし、これから、人口が猛烈に減少して、住宅街でも、こうした、ポツンと一軒家が増えると、行政コストが猛烈にかかり、必然、税金が一層高くなることは覚悟しておいたほうがいい。

● 先日、尾張旭市で、「令和時代の新しいまちづくり」実行委員会主催、一般財団法人R-INE塾 歴史文化まちづくり研究所共催の講演会で以上のような講演をした。

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