人生は長い
しかし
真の人生は短い

● 大抵の人は、毎日、睡眠の時間、食事の時間、仕事の時間、用もないお付き合いの時間、他人への嫉妬の時間などなどで、日々を過ごしている。

● そのような時間を合計して差し引くと、人間にとって、自分の人生の本当の時間は、どれほどあるのだろうか。一日のうち、自分を見つめ、自分を考え、自分自身と問答する時間は、どれほどあると言えるのだろうか。

● 人生は、分厚い辞書を一枚一枚めくるに似ている。まだまだ、めくり終わるまでには、随分と時間があると、たいした興味もなく、浮泛(ふはん)にめくり続けているうちに、「ああ、そうだ、真剣に頁をめくり読んでいくべきだ」と気づき、心決めしたときには、気がつけば、残り数頁。

● 「こんなに頁をめくったっけ?」と、めくり終わった頁を眺めながら、「いや、この辞書は、さほどの分厚さでもなかったな」と追思する。

● 最初、分厚いと思った辞書も、案外そうでもなかったと思うように、「人生は、かくも短かったのか」と、やっと気づいたときには、後の祭り、10日の菊。

● 「こんなに短いなら、最初から、他人との関係に心悩まさず、自分を見つめ、自分を考え、自分の納得する人生を過ごすべきだった」としみじみと悔恨する。

● 人は、どうやら、自分で人生を短くしているのかもしれない。名誉や地位やおカネを必死で追いかけ、わずらわしい人間関係にわざわざ口出しし、他人の噂をし、他人からの評価を気にし、他人を羨み、やっかみ、嫉妬し、あるいは、へつらいで身をすり減らしている。

● 真の人生は、そのように考えてくると、大抵の人には、確かにわずかな時間でしかないと言える。

● 自分自身のために時間を割き、自分で自分に目を向ける生き方をすれば、多分、人生は、十分に長く、充実して、納得出来る人生になるのではないかと思う。

● 我々は、「人生は長いが、真の人生は短い」ということに気づき、知っておいたほうがいいのかもしれない。

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