他人(ひと)もまた
我も人なり
変わりなし
他人(ひと)を隔てる
愚かさを知れ

● シャレたフランス料理店でのある女子会に招かれた。女子会と言っても、数人の「若い?」おばさまたち。まあ、相手にもしてくれないし、こちらも、この歳になれば、テレも下心も全くない。

● それぞれが、隣りの人、前の人、遠い席の人など、お構いなしに、思いつくままに、話し合う。経営者とか、大学教授とか、芸術家とか官僚とか、バリバリのおばさまたちだから、ホホホと笑いながら、話題に事欠くことはない。

● およそ、「女子会」など、招かれたこともないし、参加したこともないから、それなりに口をはさむ「間」を窺いながら(?)話すが、視点観点が違うから、面白いこと、楽しいこと。

● そのように、珍しく(?)冗舌な私に、前に座っていたキャリア官僚のおはさまが話しかけてきた。

●「江口さんは、イジメられたことって、ありますか?」と、突然に訊く。まあ、長い人生、イジメられたこと、泣かされたことなど、いくらでもある。

●「私もそう。とくに中学生のときはひどかったのよ。えっ?イジメられた理由?私、クラスの人たちと付き合うことが嫌い、それにあまり可愛くなかったからでしょうね」

● 可愛くなかったかどうか、分からないが、その女性の、性格とか、表情とか、雰囲気とか、なにかが、イジメの対象になったのだろう。まして、付き合うのが嫌いであれば、それも、イジメの対象になったのかもしれないと思いながら聞いていると、
「だんだんとひどくなって、不登校になったんです」とおっしゃる。

● 「へー、しかし、それで、よく地方から東大に入り卒業して、キャリア官僚になりましたねえ」と言うと、「それは、母のひと言なんですよ。ある日もイジメられて、悔しくて泣きながら家に帰ったら、母が、あなた、なに泣いてるの、あなたがイジメられてるところは、あなたの個性よ。イジメられて泣くんじゃなくて、あなたの個性をみんなが教えてくれてるのよ。誇りに思って、元気で過ごしなさい、って言ってくれたんです」。

● 「その母のひと言で、ああ、そうか、私の個性か。大事にしよう。そして、一生懸命勉強しよう、と。それから、イジメられても、なにも気にならなくなって、さらに勉強するようになって。それで東大を受けたら、受かっちゃて(笑)、官僚になって・・」

● 「で、いま、局長ですか!凄いですね。でも、お母さんの、それは、あなたの個性よって言われたのにも感心しますが、そうか、私の個性か、と受けとめたのも、凄いですね」。

●「う〜ん、そうかしら。でも、そのときね、スーと心のなかに入ったのね。もちろん、官僚になっても、イジメられたことはあったのよ(笑)。でも、その都度、それ、私の個性!と受け止めちゃたから、泣くことはなかったわ(笑)」

●「イジメるのもいやだし、イジメられるのもイヤ。だから、イジメることは絶対にしない。でも、イジメられても、ああ、それは私の個性よ、個性!なんて心の中で思っていたから、淡々ね。なに言われても、イジメられても、平気。自分のペースで、今までやってこれたのは、その母のひと言なのね」

● なるほど、容姿や性格や態度などでイジメる相手を相手にせず、それが私の個性だと誇り、自分のペースで生きていけば、このおばさま官僚のようになれるのだろうと感銘を受けた。

● そのような会話をしながら、ふと、「他人(ひと)もまた 我も人なり 変わりなし 他人(ひと)を隔てる 愚かさを知れ」という誰かの言葉を思い浮かべていた。

● 頑張れ!イジメられっ子!それがあなたの個性だと、堂々と歩こう!劣等感のあるイジメる相手を乗り越えよう

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